116207 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

五郎島金時 河二 敏雄

金沢五郎島金時生産農家 河二 敏雄

洋菓子界の菓匠たちが、最高の素材と認めたホクホクのイモ。
五郎島の砂で育てるからこの味になる。同じ苗を使っても別 な場所で作ると、全く違うイモになってしまうという。
「イモが砂の粒を覚えているんでね」。
河二さんはうれしそうに話す。




--------------------------------------------------------------------------------

五郎島の砂
「このあたりは海岸に近くて、土地は全部砂地じゃないですか。スイカとサツマイモと大根しかできない。親父が若いころは、相当苦労したみたいです。でも、この砂が五郎島金時を育んできたんですよ。ポイントは、砂の粒の大きさかな。水ハケが良いけれど、良すぎない。水持ちが、ちょうどいいんですよ!」
金沢の港近く、海に面した広大な砂地に河二さんのイモ畑がある。五郎島のサツマイモはコボコボの食感と凝縮された自然の甘味だ。




イモづくりのこだわりは「基本」
普通300坪ほどの畑からは3~3.5トンの収穫を見込むが、河二さんの畑では2~2.5トンと少ない。あえて収穫量 を抑えているのだ。理由は「味をギュ~ッと凝縮させるため。太ったイモはおいしくないよ。」ということだ。しかも、河二さんのところでは、地温を上げるためのポリエチレンのシートを使わない。これを使えば100日で収穫できる。でも、150日かけて、じっくりと自然の力でイモを育てたい。これが、一段一段ウマ味が凝縮する秘訣だ。河二さんはなんら特別 なことをしているわけではないという。手間を惜しまず、基本に沿って、自然の力を引き出すことが、日本一といわれる五郎島金時の栽培方法だ。


イモペーストがお菓子を変えた!
ふつうサツマイモのお菓子は、蒸したイモを使用する。これだとせいぜい摂氏100度。河二さんのイモペーストは、まずイモを焼く。230度の遠赤外線 で40分から50分、大きな芋なら1時間以上かけてじっくりと焼く。

河二さんのイモペースト工房には、ズラリと焼き芋器が並んでいる。イモは1つひとつが個性的、大きさも違えば、水分量 も違う。だから、大きな機械でいっぺんには焼けない。それぞれのイモの表情を見定めながら丁寧に焼き上げる。当然非常に手間がかかる。「おいしさがちがう。もう、その一点です。サツマイモのデンプンが糖質化するので本来の甘みをそっくり引き出すことができます」。とキッパリ。

以前、河二さんは「B級品」といわれる大きさが不揃いだったり、形の悪いイモが廃棄されるのがもったいなくて、使い道はなかったが思わず引き取ってしまったという。
色々と試行錯誤の末、規格外の五郎島金時を独自に開発した 遠赤外線の焼いもオーブンで焼き、丹念に皮をむき、なめらかなペーストにして冷凍保存することに成功。これが、今は和菓子、洋菓子を問わず、イモ菓子の素材としては日本一といっってもいいほどの品質を提供している。
「手間と時間をかけ工夫を惜しまなければ、きっといい商品を創ることができると思いました。 でも商品化には随分と時間がかかりましたね」。


自然の恵み!
河二さんのイモペースト工房では、奥様をはじめ、数人のスタッフがサツマイモをひとつずつ、焼き上げ、皮をむき、ペーストに加工しています。形や大きさだけで市場から嫌われたこんなにおいしいB級のイモたも、自然の恵みをいっぱいにその身に詰め込んで皆さんの元へ届けられるのを待っています。





© Rakuten Group, Inc.